前回ご紹介した記事では、「就職面接で伝えたい過去の経験や会社で活かせそうなスキル」というテーマを書きました。
お笑い芸人はかなり特殊な仕事です。そのため面接に進むと必ずと言っていいほど「お笑い芸人時代は何をやってきたのか」といった質問をされます。私もお笑い芸人を辞めて経歴なしから就職活動をしたときには100発100中この質問をされました。
面接官も経歴なしの未知数な人間を採用するか判断する必要があるので、少しでも判断材料がほしい。そのため、面接官としてもお笑い芸人の経験が会社員としてどのように活きていくのかを知る必要があります。
さらにプラスして、アナタが言語化能力に優れているかも同時に判断しています。
自分の考え、過去の経験を相手に伝えることができるか。
これがいわゆるビジネスにおけるコミュニケーションのことです。
前回の内容との違い
今回は前回で語りきれなかった内容をお伝えします。
前回の記事ではお笑い芸人の経験が会社員にどう活きるかを紹介してきました。
しかし、今回の内容は体験からくる気持ちの原動力についてです。
ん?
少し分かりづらいですか?
説明を補足すると、例えば、もし仮にアナタが就職した時のことを想像してみてください。同世代や年下は仕事ができる人たちばかり。それは当然です。経験年数があまりにも違うからです。
このまま同世代や年下に追い抜かれてこき使われるのは嫌ですよね?
せっかく、アルバイトしながら苦しい生活を送りながら夢を追いかけてきた結果、同世代や年下から馬鹿にされるのは悔しいですよね?
じゃあ、彼らよりも努力する必要がありますよね?
これが体験からくる原動力です。
なんとなくイメージつきましたか?
このような経験はお笑い芸人をやってきたアナタにしか感じることができません。そこに魅力があります。しかし、面接官はそれを知らない。だからこそ言語化して伝える必要があります。
面接の流れをおさらい
面接対策の話では毎度のことでおさらいですが、まずは面接の流れをおさらいしましょう。
①自己紹介・自己PR
②転職・就職をなぜ行うのか
③志望動機
④過去の経験や会社で活かせそうなスキル
⑤面接官への質問
今回、ご紹介する内容は前回の続きとなりますので④となります。
お笑い芸人の経験は面接官も非常に興味があるポイントです。アナタがこれまでに何をやってきたのかを知ることで、自分の会社で未経験から活躍してくれそうかを判断するキッカケとなります。
もし、まだ洗い出せていない人がいれば、すぐに取り組みましょう。就職している人でも過去の経験を振り返り、未来にどう活かすことができるのか視野を広げることできます。
気持ちが未来の原動力になる
前回でも述べたような経験ではなく、今回は「気持ち」の話にフォーカスしていきます。
根性論のこと?
抽象的でいやだな。。。
とか思わないでください!
気持ちもそうですが、もっというと「熱量」の話です。
アナタはお笑い芸人を辞めて覚悟の上で会社員として働く道を選びましたよね?
すでにこのような感情を持っているのではないでしょうか?
①お笑い芸人として成功しなかったのでタダでは人生終わらない
②周囲の同世代にはだいぶ遅れを取っているので2倍や3倍と言わずすぐに追いつき追い越したい
③四六時中お笑いのことばかり考えていた脳を仕事に転換する
全てマッチせずとも、1つくらいは当てはまるものがあると思います。
ちなみに上記3つは常に私が考えている内容になります。
アナタの感情は自分で洗い出してみましょう。
今回は私の感情を元に解説していきます。
洗い出し方はさほど変わらないので、私のやつを参考にしてみてください。
①お笑い芸人として成功しなかったのでタダでは人生終わらない
これは最重要ポイントです。
今は感じなくても、いざ働いてみると感じるはずです。
私はお笑い芸人を5年半やりました。
その間、同世代は大学で遊び呆けて、周りと同じように就活し、なんとなーく会社員として特にモチベーションもなく過ごしている人が大半です。もちろん、高い意識と責任感を持って仕事をされている方もいらっしゃいます。
どちらが良いのか悪いのかという議論はここではせず、いずれにせよ前者の「なんとなーく」の人間がお多い。そんな適当な奴らに負けても良いんですか?人生を賭けてお笑い芸人をやってきたのに、周囲に流されて、ほぼ無意識で生きている人間には絶対に負けたくないですよね?
彼らのように「なんとなーく」生きていると、腹立たしい彼らの下で働くことになります。
少々感情が入ってしまいましたが、私が言いたいのはアナタがこれまでにやってきたお笑い芸人の人生を無駄にしてほしくありません。だからこそ、会社員として遅れた時間を取り戻すために頑張って欲しいのです。
だからこそ、これまでの人生を決して無駄にしないように。まだまだ先は長く続きます。必死で生きてきたんですから、タダでは人生を終わらせないようにお互い頑張っていきましょう。
面接官に伝えるなら、
私は高校卒業後にお笑い芸人の道を選びました。成功はしませんでしたが社会人の最初の選択肢としてお笑い芸人を選んだ道については全く後悔はありません。逆にお笑い芸人として成功できなかったので、その情熱を仕事に転換していきたいと思っております。お笑い芸人で過ごした5年半という月日を1秒たりとも無駄にしないように、仕事を通してお笑い芸人時代の経験を活かして生きたいです。
といった感じでしょうか。
やや抽象的にはなりましたが、もし追加で何か入れられるのであれば、ここにアナタ特有のエピソードを1つ入れてもいいのかもしれません。
②周囲の同世代にはだいぶ遅れを取っているので2倍や3倍と言わずすぐに追いつき追い越したい
先程も述べましたが、アナタは一般的な会社員からすると遅れを取っています。
お笑い芸人という希少性のあることをやって、面接官が魅力に感じても会社員として働くには経験がありません。世間では、まだまだ「経歴なし」という認識をされます。
だからこそ、遅れを取っている同世代と対等に戦えるように2倍~3倍は最低限努力する。
面接官に伝えるなら、
私はお笑い芸人を5年半やってきました。お笑い芸人では多くの経験をしました。しかし、社会人としては未経験です。同世代や下の世代はすでにビジネスの第一線で活躍して、大きく遅れを取っていることに危機感と焦りを感じております。だからこそ、彼らの2倍や3倍とはいわず、最速で追いつけるように努力して参ります。
といった感じでしょうか。
ここでは情熱を伝えましょう。
悔しさや惨めさから湧き出る感情。
地獄と恐怖を味わった人にしかわからない言葉の重みを面接官に伝えます。
③四六時中お笑いのことばかり考えていた脳を仕事に転換する
そして最後は、努力をし続けられる人材か。
お笑い芸人時代はテレビ番組やYouTubeなどでネタやバラエティの研究をやっていたと思います。それは仕事というよりも自分も楽しみながらやっていたかもしれません。
なので、努力というよりも夢中に近い感じだったのではないでしょうか。
さらに周囲の芸人も当たり前のようにやっていたと思います。
楽屋とかで「来年きそうな若手」「○○の番組でハネた」といった話をしたことはありませんか?
※ハネたとは、ハマったという意味。爆笑を取ったことと同義。
私も同じように、少しでも早く売れるためにネタ番組だけではなくバラエティ番組は全て録画し、売れている人の立ち振舞などを見てメモに取っていました。結果、私自身が全く売れませんでしたが、その習慣は今でも残っています。
例えば、同じような業界やビジネスの情報などが流れてくれば、すぐにメモしてSNSなどでアウトプットしています。それを繰り返すことで引き出しが多くなり、これまでAという課題については、5つの改善策しか出てきませんでしたが、10も20も改善案が出せるようになりました。
要は続けていく内に引き出しが増えていくイメージです。
社会人は驚くことに殆どの人が勉強をしません。
それを否定するつもりはありませんが、ここに勝機があると確信しました。
総務省統計局が2016年に実施した「平成28年社会生活基本調査」によると社会人の1日平均の学習時間は約6分しかないとのことです。これはかなり驚きました。ほとんどの社会人が全く勉強していないんです。
逆にこれはチャンスです。
同僚が休んでいる間に差を付けてやりましょう。
面接官に伝えるなら、
私はお笑い芸人時代、寝る間も惜しんで他の芸人のネタやバラエティ番組の研究をして、自分たちのスキルアップを目指してきました。会社員になったらそれをビジネスに転用して、毎日、仕事に関する情報を研究して参りたいと思います。もちろん、インプットした情報はすぐにアウトプットして使えるように良いサイクルを回していきます。
といった感じでしょうか。
あとは付け加えるとしたら、「お笑い芸人時代は24時間おもしろいことを考えていたが、今度からは24時間仕事のことを考えて少しでも同僚に追いつけるように地道に努力をしてまいります」と言うようなこと述べると面接官へアナタの情熱が伝わるでしょう。
実際にそれくらい頑張ると2~3年で追いつきます。
スタートが何歳かによりますが、継続して意識を高く持ち続けることは多くの人は実施できません。相当な精神力や習慣化されたものが無い限り不可能に近いです。
それをアナタは既にやっています。
楽しみながら夢中になりましょう。
まとめ
今回の内容をまとめるとこちら。
・気持ちを頑張る原動力に変えられる
①お笑い芸人として成功しなかったのでタダでは人生終わらない
②周囲の同世代にはだいぶ遅れを取っているので2倍や3倍と言わずすぐに追いつき追い越したい
③四六時中お笑いのことばかり考えていた脳を仕事に転換する
世間的にお笑い芸人の経験は「経歴なし」と認定されます。
そんな世の中を変えるには、今まさにお笑い芸人から就職をしようとしているアナタみたいな人が必要です。必ず、我々のような元お笑い芸人が会社員として活躍することで、「お笑い芸人としての社会的地位」を確立させていきましょう。
応援しています。
お笑い芸人の経験は全く無駄になりません。
一緒に頑張りましょう。