面接で「転職・就職をなぜ行うのか」の質問に対する回答例

面接には流れというものが存在します。

これはバラエティ番組でも同じですね。例えば、オープニングからいきなりグルメ情報を流すのではなく、まずは今回の番組はどういった企画で誰が登場するのかは紹介していくと思います。面接も同じように順番というものがあります。

主な流れは以下のとおりです。

 

 ①自己紹介・自己PR
 ②転職・就職をなぜ行うのか
 ③志望動機
 ④過去の経験や会社で活かせそうなスキル
 ⑤面接官への質問

 

今回は「②転職・就職をなぜ行うのか」についてご紹介します。

これは、「なぜお笑い芸人をやめたのか」「お笑い芸人をやめてなぜ就職しようと考えたのか」という2つの理由を伝える必要があります。今回は、どのように伝えればいいのかだけではなく、そもそもなぜ面接官は聞くのかなど背景まで説明していきます。

 

 

転職・就職をなぜ行うのかを聞く意味

 

まず、そもそも、なぜこの質問を聞くのか。

結論、面接官によって大きく2つに分かれます。

 

 ①決断に至るまでの明確な理由を聞いて自分の軸があるか判断する

 ②なんとなくの興味本位で聞く

 

いずれにしても注意しないといけないのが、質問を想定しておくことで自分のペースを乱さないことです。面接官の中には本質思考で「なぜ?」を聞いてくる人もいます。

果たしてその決断が正しかったのか?
もっと最善策はなかったのか?

面接官ともなれば、何百人の求職者を見てきたので、理由が明確なのかそうじゃないのかは聞くと一発でわかります。少しでも曖昧な理由や納得感がない理由になると、相手に不信感を抱いてしまうでしょう。

 

「別にお笑い芸人を辞めなくても良かったんじゃないか?」

「お笑い芸人を辞めてもアルバイトで生活すれば良かったんじゃないか?」

「自分で事業を起こしたりせずに会社に就職する理由は何か?」

 

など、突かれるとちょっと嫌ですよね?

面接官はこれを平気でやってきます。

中には意地悪で悪意ある人もいますが、求職者のことを思ってこのような質問を投げてくる人もいます。アナタの選択肢は本当に正しかったのかどうか。ここを見極めないと、面接官からすると「なんかいい雰囲気だから採用した」という形で、結果的に数ヶ月で辞めてしまうことになりかねません。

面接官が注意しているのは「自社にミスマッチではないか?」です。

そこを見極める最初の手段として、「転職・就職をなぜ行うのか」の質問を投げてきます。その理由が明確で、その先にある理想を実現させることが自社でやれればマッチング成立です。

例えば、「エンタメで世界を変えたい!」と発言してても、応募した職種がシステムエンジニアだったら少し乖離していますよね?もちろん、全てが難しいわけではありまんせんが、面接官からすると「自社はシステム会社だからこの人はエンタメ業界に入ったほうがいいだろう」と思われます。

そのミスマッチを防ぐためにも、1つ1つの決断でどのような思考で判断していったのかを知るために、「転職・就職をなぜ行うのか」を面接官は聞くのです。

この質問は必ず聞かれるものだとして準備しておきましょう。明確な理由がないと「なんか周囲に流される軸がない人」とマイナスなイメージを持たれます。

では、どういった回答方法がいいか。

それをご紹介していきます。

 

就職や転職の理由はパターン化されている

 

いまや年間で約400万人が転職しているというデータが出ています。

 

2019年の転職者数が過去最多。年間で「351万人」が転職
総務省統計局によれば、2019年の転職者数は351万人で、比較可能な2002年以降で過去最多となりました。

 

そのため、就職や転職の理由は1人1人異なるものの、大きく分類するとパターン化されます。漫才でも漫才コント・しゃべくり・時事ネタ・ズレツッコミなどざっくりとパターン化されると思います。それと同じで、就職や転職の理由も本質はほとんどが代わりません。

元を辿ると転職であれば、

 

「嫌な上司がいて人間関係で困っているから退職したい」

「将来的にやりたいことを実現できる会社に転職したい」

「会社が倒産しそうなので早いうちに転職したい」

 

などといった理由に分かれてきます。

なので、面接官からすると似たような理由を述べられても、「はいはいその理由ね」といった感じで面白みもありません。無理やり理由を捻じ曲げる必要はありませんが、本質的にはパターン化された理由でも伝え方を工夫する必要があります。

 

例文)転職・就職をなぜ行うのか

 

 

では、実際に、お笑い芸人を辞めて就職する理由をどのように伝えればいいのか。

私が最初に就職する会社で使ったものを例文に解説していきます。

まずはこちらを御覧ください。

実際に「転職・就職をなぜ行うのか」の質問に対して私が述べた理由です。

 

 

結論から言うと限界を感じたからです。私はお笑い芸人を始める前に目標を決めました。ダラダラ芸人を続けるけても意味がない。自分はお笑い芸人として売れて自分と同じようにいじめられている子供たちに勇気を与えたい。そのためには売れる必要があると考えました。そこで売れている芸人を分析しました。するとあることを発見したんです。それは、芸歴5年以内でM-1などお笑いの大会で準決勝まで進出しているという事実でした。売れるためには運も重要ですが、大前提に実力はあって当たり前の世界と実感したんです。彼らと同じ土俵に立つためには、同じように芸歴5年以内でお笑いの大会の準決勝まで進出しないと足元にも及ばないと考え、まずはそこを目標に頑張りました。5年やった結果、準決勝へは進むことはできませんでした。さらに、私が中学生の頃から見ていた売れかけの若手芸人さんが、未だに売れかけの若手芸人と言われていることに実力の差と厳しい現実を突きつけられ、お笑い芸人を辞める決断をしました。もちろん、中には10年以上続けて売れた人もいますが、私はその5年間で十分にやりきったと感じたので辞める決断に至りました。後悔はまったくないといったら嘘にはなりますが、今度はビジネス界で自分が担当するお客様に喜んでもらえるように頑張っていきたいです。その感情はお笑い芸人時代と同じだと思っております。就職したらお笑い芸人の時以上にお客様に喜んでもらうためにはどうすればいいかを研究して実践を積み重ねて参ります。以上です。

 

 

私が初めて就職する際に伝えばこちらの文章を元に、面接官に刺さったポイントを解説していきます。

 

 

なぜ辞めたのかを明確にする

 

まずは、理由を端的に伝えます。

 

結論から言うと限界を感じたからです。

 

結論から何を伝えたいのか述べています。理由を先に言うことで、相手には60~70%は言いたいことが伝わります。その前提を踏まえて、「なぜ限界を感じたのか」を順を追って説明する形です。

ビジネスでは結論から言うことが重要とされています。お笑い芸人のトークみたいに、オチに向かって話を進めていくと誰も聞いてくれません。まずオチを言う。そして、なぜそのオチになったのかを解説してく流れが望ましいです。

今回の事例も同じ用に結論(オチ)から伝えて、なぜその結論(オチ)に至ったのかを順を追って解説していく形で構成しています。特に面接となると面接官は何百人を相手にしているので、少しでも話しが長いとイライラされがちです。面接官はM-1の1回戦のお客さんと思ってください。1日に何百組も見て、クタクタなのに、「なんかよくわからん同じようなネタ」だと印象に残りません。

なので、まず先に「今から話す内容はこんなネタですよ」と言うことを伝えてあげましょう。相手に伝わってから初めてコミュニケーションが成立します。せっかく、元お笑い芸人という独自性のある強みを持っているのに、相手に伝わらないのは非常にもったいないです。

まずは、結論(オチ)から伝えることをマストにしましょう。

 

ストーリー性のある理由付け

 

 

次に伝えた結論を解説していきます。

 

私はお笑い芸人を始める前に目標を決めました。ダラダラ芸人を続けるけても意味がない。自分はお笑い芸人として売れて自分と同じようにいじめられている子供たちに勇気を与えたい。そのためには売れる必要があると考えました。そこで売れている芸人を分析しました。するとあることを発見したんです。それは、芸歴5年以内でM-1などお笑いの大会で準決勝まで進出しているという事実でした。売れるためには運も重要ですが、大前提に実力はあって当たり前の世界と実感したんです。彼らと同じ土俵に立つためには、同じように芸歴5年以内でお笑いの大会の準決勝まで進出しないと足元にも及ばないと考え、まずはそこを目標に頑張りました。5年やった結果、準決勝へは進むことはできませんでした。さらに、私が中学生の頃から見ていた売れかけの若手芸人さんが、未だに売れかけの若手芸人と言われていることに実力の差と厳しい現実を突きつけられ、お笑い芸人を辞める決断をしました。

 

ポイントはストーリー性のある理由を伝えることです。正直、「限界を感じた」のはお笑い芸人を経験したことがない面接官でも想定ができる理由です。そこに、聞いている側が映像を浮かべながら話を聞けるようにストーリー立てていきます。

 

 

未来へ

 

最後はオチへと向かっていきます。

 

もちろん、中には10年以上続けて売れた人もいますが、私はその5年間で十分にやりきったと感じたので辞める決断に至りました。後悔はまったくないといったら嘘にはなりますが、今度はビジネス界で自分が担当するお客様に喜んでもらえるように頑張っていきたいです。その感情はお笑い芸人時代と同じだと思っております。就職したらお笑い芸人の時以上にお客様に喜んでもらうためにはどうすればいいかを研究して実践を積み重ねて参ります。以上です。

 

辞めたあと、これからの未来へ向かって何をしていくのかを伝えます。最後の盛り上がりの箇所になります。綺麗に終わらせるためにはこれまでの経験を未来へ繋げるためにはどうすれば良いのかを伝えることで、より厚みが増します。

大切なのは、過去の経験を活かした未来にしていることです。無理にとは言いません。しかし、せっかくお笑い芸人として頑張ってきたので、会社員としても活かせるものがあれば活かしていきたいと思いませんか?

アナタは一般時では経験できなかった貴重な経験をしています。最後のオチの部分で他の候補者とは違う磨けば光る原石とも思えるモノを伝えられるように準備しておきましょう。

 

まとめ

 

今回の内容をまとめると以下のとおりです。

 

・転職・就職をなぜ行うのかを聞く意味
 ①決断に至るまでの明確な理由を聞いて自分の軸があるか判断する
 ②なんとなくの興味本位で聞く
・就職や転職の理由はパターン化されている
・転職・就職をなぜ行うのかの例文
・なぜ辞めたのかを明確にする
・ストーリー性のある理由付け
・未来へ

 

「転職・就職をなぜ行うのか」

これ自体の質問が面接で聞かれないことも十分あります。しかし、常に準備をしておくことで違和感なく相手に伝えることできます。面接は準備が10割と思ってください。アドリブで乗り越えようと思わないように。

しかし、変な話、面接もコツというものが見えてきます。

コツを掴んでいけば相手がどの部分で反応するかが明確になってきます。

しかし、変な勝負に出ないようにしましょう。

ベタなネタでいいです。ベタなネタの見せ方を変えて「こいつは違うな」と思わせれば勝ちです。

応援しています。

必ずいける。

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