会社員として仕事を続けていく上で重要となるのがキャリア形成です。
一般的に、なとなぁ~く認知はされているものの、戦略的に実践している人は多くありません。
特に経歴なしから就職すると、有名大学から新卒で就職するのとでは選択肢が大きく狭まります。
しかし、その狭まっている選択肢の中でも戦略的にキャリアを形成してけば、今は辛くても10年後は今とは考えられないくらいに優良企業で働けることも可能です。
特に最近では、大手企業でも有名大学出身や有名企業勤務ではなく実力を見て判断する会社が増え、仮に高卒や中卒でも有名企業に転職できたりします。私も現にWeb業界では名の知れた会社に転職できていますし、知人は高卒ですが大手外資系コンサルティングファームに転職できました。
では、今回はキャリアについて、経歴なしの人が今からどういった形で戦略を立てていけば良いのかをご紹介していきます。
キャリアとは
そもそも「キャリアとは何か?」を考えていきましょう。
イメージはできているでしょうが、改めて言葉の定義を認識しておく必要があります。
厚生労働省では以下のように定義しています。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
※厚生労働省から引用
つまり、キャリアとは「過去の実績や職歴」に当たります。
芸能界のタレントに例えると、冠番組やレギュラー番組をいくつ持ったのか、どんな人気番組だったのかなどです。お笑い芸人だと、M-1やキングオブコントの成績などに当たります。
ただし、芸能界はタレント自身がキャリアを作っていくような形でコントロールが非常に難しく、運や番組側で求められている役割に従う形が多くあります。
例えば、お笑い芸人を始めた当初は多くの人達がダウンタウンのように「冠番組を持ちたい!」と思っていたけど、「求められているものがリアクションやひな壇だった!」なんてことはよくあります。
しかし、会社員は違います。
ある程度、キャリアはコントロールできます。
なぜなら、日本には約400万社の会社が存在しており、自分次第で別の会社へ転職することも可能です。
一方、お笑い芸人は今でこそYouTubeやAbemaTVなどネットが台頭していますが、まだまだ主戦場はテレビになるので少ない席の取り合いになっています。さらに、番組を作るのはTV局側になるので、タレントは役割を定められて呼ばれる立場になります。
つまり、世間にキャラを決められ、そこに答えるような形をとっていかなければ売れ続けることは不可能に近いです。もちろん、独自路線で売れ続けている人もいますがごくわずか。
会社員とお笑い芸人のキャリアの違いをまとめると、キャリアをコントロールできるか、できないかが大きな理由です。
■会社員とお笑い芸人のキャリアの違い
・会社員:キャリアを自分でコントロールできる
・お笑い芸人:キャリアを自分でコントロールしづらい
いまが一番大事な時期
キャリアを形成する上で一番注意しないといけないのが「先を見すぎないこと」です。
先を見越してキャリアを形成するはずなのに、先を見すぎるのは要注意とは矛盾しているように想いますよね?
ここで言いたいのは、目指すキャリア像を定めたとしても、そこに固執してしまうと選択肢が狭まるということです。
さらに、先を見すぎて、いま与えられている仕事との関連性が見当たらず、モチベーションが低下してパフォーマンスも落ちていく悪循環に陥ります。
そうなると、事態は最悪です。
本来であればその場で結果を残し続ければ選択肢が広がったキャリアが閉ざされていまいます。
非常にもったいない!!
つまり、「柔軟性を持った考えでいきましょう」ということ。
自分のキャリアや仕事を振り返る時によく思い出す言葉があります。
ある番組でオードリーの若林さんが仰っていた言葉です。
「オードリーは今が大事な時期ってよく言われるけど、むかしも、これからもずっと今が大事時期なんだよ」
まさに。
「今が大事な時期」なんです
今の状況でどう結果を残すかが重要です。
時にはイメージしていた仕事ではないかもしれません。
そこに不満を持って転職を繰り返しても、結果(実績)を残していないので、選ぶ企業側としてもアナタが魅力的に感じません。
つまり、転職しようと思ってもどこにも採用されなくなります。
それよりも、まずは与えられた仕事に全力で向き合い、結果を残した上で別の選択肢にチャレンジしてみるというのが一番リスクを押さえることができます。
無駄なリスクは抑えましょう。
リスクを背負うのは一見かっこよく見えますが、無謀とリスクは違います。
無駄なリスクは無謀です。
なるべく抑えられるリスクは削ぎ落として、キャリアを作っていきましょう。
転職してもすぐに結果を残せる準備
転職を目的にして働くと手段の目的化となり、よからぬ方向へ物事が進んでしまいます。
あくまで「転職は自分が実現したい手段の1つ」として考えておきましょう。
それを前提とした上で、今の会社で自分のスキルをアップさせていく際に、
「転職した時にそのスキルは使えるのか?」
この視点を持っておきましょう。
価値を判断するのは他人です。
いくら自分が優れていると発言しても評価されません。
さらに、自分が将来的にやりたいことを実現している会社に転職をしたいと思った際に、採用を決める会社側でアナタの価値を評価できない可能性だってあります。
まずは今の仕事の1つ1つを振り返っていき、この仕事が他社に転職した際にも活用できるものかを考えていきましょう。
そこを実践できればもうワンランクアップ!
次のフェーズとしては以下の2つです。
・今のスキルを認めて理解する
・今の仕事にあと何をプラスしたらさらにキャリアアップの実現に結びつくか
1つずつ解説していきます。
まずは、「今のスキルを認めて理解する」についてです。
つまり、出来ないことは認め、できることは伸ばす。
これだけ。
多くの会社員が自分のスキルを正しく可視化できません。
理由は面倒だからです。
色々な仕事をやった結果、自分のスキルを可視化する作業自体がどこから手をつければいいかわからなくなり、結果、よくある経歴書に沿った形で自分のスキルを可視化するような形に陥りがちです。
しかし、アナタはまだまだこれからの人間です!
今の仕事から、自分はその仕事が得意か不得意か。他にも得意な業務は何があって、どうすれば改善できるか。または、改善ではなくて他の良いところでリカバリーできるかを考えながら仕事をしていきましょう。
一番やってはいけないことは、「できないことを認めない」ことです。
これは年齢を重ねるとやりがちですが、メリットは全くありません。
「自分のスキルを理解する」だけなので、「できない事実を知っているのは自分だけ」です。
自分にウソをついてまで隠すメリットってありますか?
ないですよね?
なので、自分に正直になりましょう。
できないことは認めて、できるところは伸ばす。
これだけです。
2つ目の「今の仕事にあと何をプラスしたらさらにキャリアアップの実現に結びつくか」について。
もう20%プラスで頑張ってみましょう。
今の仕事にさらに他社でも通用するような付加価値をつけるとしたら何をすべきか?
例えば、上司からデータの集計業務を任された場合。
通常であれば期日までにデータの集計業務を完了していればOKです。
しかし、前後の業務を理解することで仕事の厚みが増します。
・何の目的で作成するデータなのか?
・クライアントに提出するデータなのか?
ここを事前に確認しておき、クライアントに送るデータであれば、データ集計だけではなく、クライアントへ提出できるようにビジュアルなどを加工して、上司はクライアントへデータを送付するだけの状態にしておく。
これが20%プラスの付加価値です。
依頼された内容を完了させるのは業務となりますが、背景まで理解して先回りしておくと、ちょっとしたプロジェクトマネジメントの要素も加わってきます。
プロジェクトマネジメントの全てを学ぶことは出来ませんが、一部だけでも理解しておくことで、例えば「こういうやり方で仕事をしていました!」と他社へアピールできます。
こういった小さな積み重ねが上司や周囲の社員の信頼を得て、大きな仕事を任されるようになります。そうなった際に一気にキャリアを実現させるために、大きな仕事はやり抜くだけです。
ただし、何度も繰り返しますが、キャリア実現を目的に仕事をやるわけではないので十分に注意しましょう。あくまでキャリア形成は手段であり目的ではありません。
まとめ
今回は経歴なしの人が今からどういった形で戦略を立てていけば良いのかをご紹介しました。
まとめると以下の通りです。
・キャリアとは
①キャリア=過去の実績や職歴のこと
②会社員とお笑い芸人のキャリアの違い
会社員:キャリアを自分でコントロールできる
お笑い芸人:キャリアを自分でコントロールしづらい
・いまが一番大事な時期
①選択肢を狭めないために柔軟性のある考え方を持つ
②いま任されている仕事で結果を残すことが最優先
・転職してもすぐに結果を残せる準備
①「転職した際にそのスキルは使えるのか?」の視点を持つ
②今のスキルを認めて理解する
③今の仕事にあと何をプラスしたらさらにキャリアアップの実現に結びつくか
キャリア形成は非常に難しい問題です。
考えすぎると可能性を狭めてしまい、考えなさすぎるとチャンスを逃していまします。
そのさじ加減さえも運によって大きく左右されることもあります。
ただ、それは結果論にしか過ぎません。
いつ、いかなる状況でもチャンスが訪れるといつでもスタートダッシュを切れるように準備しておく。
つまり、最後に述べた「転職してもすぐに結果を残せる準備」です。
すべての成功は準備力にあります。
いつでもトップスピードで突っ走れる準備を整えておきましょう。
応援しています。
ともに頑張りましょう。